アメリカで専業主婦が増えてるという話だったり、最近の高学歴女性は一般職を希望するという話だったり、ここ数日女性の生き方に関する記事をたびたび目にした。
改めて思ったのは、女性の生き方というのは色々悩ましいなということ。私はつい先日40歳になった、子供がいないバツイチの女性なのだけれど、記事に登場するどの女性の言ってることも正直ピンとこなかった。
昔から文化人類学、生物学的な本を好んで読む。それらによると子孫を残さねばという思いは本能的な欲求だ。動物の進化というのはいかに優秀な種を次世代に残していくかの最適解だったりする。ただ私はこの子孫を残さねば、という欲求がどうも薄い。だから「子を産み育てる」を前提に人生を組み立てるというのがぴんとこず、それが前述した記事を読んだ時の違和感につながっているのだと思う。
思えば24で結婚して36で離婚するまで、私にとって出産とは、いつかしなきゃいけないけど、できるだけあと伸ばしにしたい、夏休みの宿題のような、そんな悩ましい存在だった。そして離婚後、「まだ産みたくない」ではなく「もう産めない」に移行していくこの数年間、本当にこのまま「出産」を経験しなくていいのかという葛藤はあったものの、最終的には「産まない生き方」をしようと決めた。
「産まない」に舵をとってみた感想としては、後ろめたさがあるのは事実。また「産まない」という生き方には冷ややかな目も多く、多少の批判に晒される覚悟はあった方がよさそう。
ただそれ以外は別に何もない、というか「子育て」というタスクがない分、自分のやりたいこと~仕事だったり旅行だったり書くことだったり~にとても忠実に過ごす毎日だ。
女の人の人生は複雑だ。既婚/未婚、子あり子なし、フルタイム勤務/パートタイム勤務/専業主婦などのかけあわせによって、ずいぶんと人生の内容が変わっていく。
私が自分より若い女性にアドバイスがあるとしたら、どの組み合わせが最適解かは自分で考え、選びとって、納得する必要があること。そして他の組み合わせのいいところを羨んだりしてもしょうがない、という諦めを持つことだ。専業主婦とワーキングマザーのいいところどりはできないし、DINKS夫婦と子だくさん夫婦のメリットを同時に享受することはできない。ライフスタイルがびっくりするくらい違う。そしてどの組み合わせにも、いいところと不便/不自由なところがある。
この組み合わせがいい、これがベスト、と世の女性は私も含めてやんややんやという。なぜなら本当にこの組み合わせでよかったのか、を多少はみんな自問自答しながら生きているからだ。自分が幸せにやっている、と声にすることで、自らを納得させようとしている節がある。
だからそんな生き方があるのか、というところは情報としてえつつも、決して鵜呑みにせず、自分はどうかというのをじっくり考えた方がいい。
そしてひとたび納得さえできれば、どんな組み合わせであっても、それなりに楽しく人生を謳歌することができる。
私はそんな風に思っている。