makicoo thinks

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【FF11】バタリア丘陵で見た夕焼けのマキ。

 少し前に「ソードアートオンライン」というアニメにはまり、2日くらいで全話みた。何故そこまで夢中になれたかというと、私も結構な長い期間、FF11というオンラインゲームにはまっていて、リアルよりも「ヴァナディール」というゲーム内の世界にどっぷり漬かった経験があるからだ。仮想世界を舞台に繰り広げられる「ソードアートオンライン」のストーリーは、私がかつて時を過ごしていた時間と仲間とオーバーラップ。そしてその時の記憶が走馬灯のように蘇った。今日はその中からバタリア丘陵で見た夕焼けの話をしようと思う。

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 FF11のサービス開始初日にPS2で参戦した私が選んだのはタルタルという種族の黒魔導士。ゲーム開始当初のタルタル黒魔導士はモンスターに強力なダメージを与える存在で、あちこちのパーティでひっぱりだこだった。順調にレベルをあげて、船にのってセルビナに渡り、仲間とたどりついたのは憧れの街、ジュノ。レベルがまだ18とかだったように思う。開始初期は、黒魔法のダメージにレベル補正がなかったから、格上の相手に対しても魔法が通り、だから当時、ゲーム内のトッププレイヤーが集うジュノの街でも、パーティを組むのに苦労は一切しなかった。

 

 状況が一変したのは、バッチにより黒魔法に対しての大幅な修正が入った後。黒魔法は格上の相手にはレジストされるようになり、レベルが低い黒魔導士はパーティの人気者からただのお荷物となった。そのためレベル18の私はジュノで完全に居場所を失い、だからもう一度セルビナという街に戻るしかなかった。

 

ここで問題がある。私はとにかく方向音痴で反射神経が鈍いのだ。そしてセルビナに行くためには「バタリア丘陵」という場所を通過する必要があり、ただそこにはプレイヤーを見つけたら襲いかかってくる、1人では太刀打ちできないアクティブなモンスターがうようよいた。

 

今のFF11であれば、テレポの魔法(もっと敵が弱い場所に移動できる)やサイレントオイルといった薬品(アクティブなモンスターに感知されなくなる)もあり、そもそも高レベルなプレイヤーもいっぱいいるから、何てことはない。ただ当時はトッププレイヤーが死にものぐるいでバタリアのモンスターを狩っていた時代だから、誰にとっても、バタリアを歩いて抜けることは命がけ。で、方向音痴で反射神経が鈍い私は、バタリアを抜けようと何度も試みては失敗した。

 

 そんな私に気がついてくれたのがフレンドのもんぷち。会社の同僚ではあったけれど、ゲーム内では別々に行動することが多かった。もともとUltima Onlineネトゲ慣れしていたもんぷちは既にLv20になっていて、チョコボに乗れた。事情を伝えたら「バタリアを抜けるまで付き合うよ」と言ってくれた。そして長い長いバタリア丘陵を抜ける冒険が始まった。

 

 私のとてつもない方向音痴と反射神経のなさにもんぷちが気づくのには時間がかからなかった。まず一緒に歩いて向かおうとしたけれど、あっさりアクティブのモンスターに見つかり、その巻き沿いを彼は二度食らった。これ以上は迷惑かけられないと言ったものの、彼はチョコボで先導してくれる案を思いついた。パーティを組まない状態で、彼の指示にしたがって、バタリアの大地をそろそろと進む。だけどエリアチェンジまで後ちょっとというところで、私はやっぱり敵に見つかった。がっつり減っていくHP。あーまたやり直しかと私は思った。いい加減死ぬのに疲れたので、今日はもうこれで終わりにしようと思った。チョコボに乗ってるプレイヤーをモンスターは襲えない。彼は平気のはずだった。

 が、彼はチョコボを降りてモンスターに立ち向かった。「逃げて」と彼は言い、遠くで2時間に1回しか使えないスペシャルアビリティ「絶対回避」のエフェクト音が聞こえた。私は言われるがままにエリアチェンジのポイントめがけて走った。ただそんなもんぷちの好意を無にするが如く、後ちょっとでエリアチェンジという場所の手前、私は別のモンスターに見つかりやっぱり死んだ。そしてもんぷちはというとそんな無駄死にのせいで、レベルがひとつ下がり、チョコボに乗れなくなってしまった。

 

 このときの自己嫌悪感といったら半端なかった。先行プレイヤーを何の見返りもない冒険で拘束しているばかりか、経験値までも犠牲にさせて。2時間に1回しか使えないアビリティまで使わせて、チョコボにも乗れなくさせて、それなのに結局また死んで。ゲームの才能ないし、人に迷惑かけるし、引退するしかないと思った。第一会社で会わせる顔がなかった。

 

 でも彼は、もう1回だけやろうと言った。

 

 いいよと何度も断ったのに、さあ行くぞーともんぷちは言い、結局2人でジュノの門をくぐって、バタリアに出た。ヴァナディールの時間は夕暮れ時。私は申し訳なさと嬉しさと、そして何だか甘酸っぱい気持ちでもんぷちの背中を追った。ヴァナディールの時はリアルの時間よりも早く流れる。ダイナミックに空はどんどんと赤く染まった。夕日をバックに私の前を駆けるもんぷちは、最高に頼もしくて、優しくて、そしてかっこよかった。

 

そしてようやくバタリアを、抜けることができた。

 

たかがゲーム、といえばそうかも知れない。ただあの夕焼けは私が今まで生きてみてきた中で一番きれいな夕焼けで、今でもこうやって時々、思い出す。